Java:文字コード変換ツールを作る(2)コマンドラインツール その1
今回は,前回の記事で作成した文字コード変換プログラムに機能追加してコマンドラインツールに仕立てます。今回作成するツールの仕様は以下になります。
【仕様】
1. コマンドライン引数にファイルまたはディレクトリのパスを指定することができる。
1.1. 引数にファイルが指定されたときは,そのファイルを変換処理する。
1.2. 引数にディレクトリが指定されたときは,そのディレクトリに含まれるファイルを一括変換する。
1.3. 引数が指定されていない場合は,カレントディレクトリに含まれるファイルを一括変換する。
2. 出力ファイルは入力ファイルと同じディレクトリに作成する。
3. 出力ファイルのファイル名は,入力ファイル名の拡張子の前に拡張子「utf8」を追加する。
例:「XXX.txt」→「XXX.utf8.txt」
3.1. ファイル名に拡張子がない場合は,拡張子を「utf8」にする。
【実装】
以上の仕様を実現するために,必要な機能を実装していきます。
■出力ファイルのファイル名を生成する。
入力ファイルのファイル名から出力ファイルのファイル名を生成します。
処理内容は,入力ファイルのファイル名をピリオドで分割してからピリオドで連結し直します。このとき最後の連結の前に「utf8」を挿入します。
import java.io.File; import java.util.regex.Pattern; public class ConvtoUTF8 |
■1入力ファイルに対して1出力ファイルを生成する。
処理対象が,1ファイルの場合とディレクトリの場合があるので,まず入力ファイル1つに対する変換処理をまとめたメソッドを作ります。二種類の処理はこのメソッドの呼び出し方の違いで実現します。
ここでは最初に出力ファイル名を生成しますが,生成した出力ファイル名と同名の入力ファイルが存在していた場合の対応としては,単に当該ファイルの変換処理をスキップしているだけです。
※下記コードの「ConvtoUTF8.convertFile(infile, outfile);」は前回作成したコード変換プログラムです。
import java.io.IOException;
public class ConvtoUTF8 |
■上記コードを起動するmain関数。
main関数の引数(args)にはコマンドライン引数が文字列の配列として格納されています。argsの最初の要素を処理対象のファイルまたはディレクトリパスとして取得します。
引数に何も指定されていない場合はargsは空の配列です。この場合はカレントディレクトリを処理対象にします。カレントディレクトリは「File dir = new File(".");」で取得することができます。
処理対象のファイルまたはディレクトリが確定したら,ファイルの場合はそのファイルに対して,ディレクトリの場合はディレクトリに含まれる各ファイルに対して,さきに作成したconvertOneFile()メソッドを実行して変換処理を行います。
例外のcatchはツール全体のうちmain関数でのみ行います。これにより処理中に例外が発生した場合は,それ以降の処理をすべてキャンセルしてmain関数のcatchを実行して処理を終了させます。
//---------------------------------------------------------------------- /** * @param args コマンドライン引数。ファイルまたはディレクトリパス指定として解釈する。 */ public static void main(String[] args) { try { String pathStr = (0 < args.length)? args[0]: "."; File path = new File(pathStr); if (path.isDirectory()) { File[] files = path.listFiles(); for (File file : files) { if (file.canRead()) { ConvtoUTF8.convertOneFile(path, file); } } } else if (path.canRead()) { ConvtoUTF8.convertOneFile(path.getParentFile(), path); } } catch (Exception ex) { ex.printStackTrace(); } } |
以上の処理と前回のコード変換を1つのクラス(「ConvtoUTF8」クラス)にまとめると,変換ツールが完成します。
【著作権表記】上記コードを含む本ブログのプログラムコードは,私的利用可,商用利用可,改変しての利用可です。利用の際に作者に許諾を得る必要はありません。
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