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2008年6月

Mac OS X Server:DNS設定の問題

【問題】
Mac OS X Server 10.4.x(Tiger Server)にて,設定ツール「サーバ管理」でDNSサーバBIND)の設定を行ったときに以下のような問題がありました。
注:この問題がLeopard Serverで改修されているかどうかは未確認です。

●設定が勝手に書き換わる問題
「サーバ管理」は,DNS設定を変更したあとで「保存」ボタンで変更内容を反映するときに,設定ファイルの内容やファイル名をチェックして,エラーと判断した箇所を書き換えているようです。
この機能は,間違った設定のままDNSを運用してしまわないための機能だと思われますが,一部正しいはずの設定をエラーと判定するケースがあるようです。
ここでは現在こちらで把握している不備の内容についてリストアップしたいと思います。

1)逆引き設定をクラスC未満にできない
クラスC未満の逆引き設定を行い,「サーバ管理」の「保存」ボタンを押すと,逆引き設定がクラスCに拡張して保存されてしまいます。

2)SPF設定が消える
SPFの設定は,ドメイン名に対してTXTレコードを割り当てて,そこに記述しますが,ドメイン名へのTXTレコードの割り当ては,「サーバ管理」は設定の誤りと解釈するようで,SPFの設定を行ったあとで「サーバ管理」の「保存」ボタンを押すと,SPFの設定をファイルから削除して保存されてしまいます。

●view設定がエラーになる問題
「view」はBIND9から追加された機能で,Tiger ServerのBINDも9.xなので当然使えるのですが,設定ファイルをviewを使って書き換えてBINDを起動し直すと,「サーバ管理」のステータス表示でDNSがエラー状態になってしまいます。

【対処方法】
設定が勝手に書き換わる問題については,「サーバ管理」による設定の更新を行わないようにするしかないと思います。「サーバ管理」による設定は,最初のドメイン設定ファイルの生成までにして,その後の設定はテキストエディタで直接設定ファイルを編集して「サーバ管理」からは設定は行わないようにします。「サーバ管理」は設定ファイルの書き換えを行ったあとのDNSの起動・停止でのみ利用します。
view機能の障害については,viewを使わないか,エラー表示に目を瞑るしかないようです。

■関連情報
Appleサポート:Mac OS X Server 10.4DNS サービスの概要
Apple Server 製品ドキュメント:ネットワークサービスの管理[PDF]
JPRS:DNS関連技術情報
OPENTECHPRESS:SPF解説

■関連書籍をAmazonで検索:[BIND/DNS][Mac OS X Server]
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Java:CSVパーサを作る(その3) - RFC4180対応 後編

前回の記事で未実装だった「レコードの確定」と「レコードのフィールドへの分割」を行うメソッドについて実装を行い,CSVパーサを完成させます。

【実装の考察】
●レコードの確定
レコード確定では,入力テキストデータに対して,ダブルクォーテーション(二重引用符)のペアをヒントに各レコードの末尾を確定して,レコードの切り分けを行います。処理手順は以下のようになります。

  1. BufferedReaderのreadLineメソッドを使ってテキストを1行分(現在の位置から改行が現れるまで,またはファイルの終了まで)取り出して,行の先頭からダブルクォーテーションを探す。見つからなければその1行を1レコードとして確定する。(readLineメソッドは「CR」「LF」「CRLF」を改行と認識するので,「CRLF以外の改行も考慮する」仕様の要求を満たしています。)
  2. ダブルクォーテーションが見つかった場合,ペアになる後ろのダブルクォーテーションを探す。後ろのダブルクォーテーションが見つかったらその位置から後続のダブルクォーテーションのペアを探す。この手順を行の終わりまで繰り返す。ダブルクォーテーションペアの外側で行が終了していれば,その行を1レコードとして確定する。
  3. ペアの後ろのダブルクォーテーションが見つからずにダブルクォーテーションペアの内側で改行に達したら,その改行を文字列フィールドに含まれる改行と見なしてBufferedReaderのreadLineメソッドより次の行を取り出して前の行と連結し,ペアの後ろのダブルクォーテーションを探すところから処理から継続する。これをダブルクォーテーションペアの外側で改行が見つかるまで繰り返す。後ろのダブルクォーテーションが見つからずにファイルの末尾に達したときは,ファイルの末尾にダブルクォーテーションを付加して行の末尾とする。この連結した行を1レコードとして確定する。
以上の処理を行うコードは次のようになります。(2009年6月22日改訂)
//------------------------------------------------------------------
/**
 * BufferedReaderから1レコード分のテキストを取り出す。
 * @param reader 行データを取り出すBufferedReader。
 * @return 1レコード分のテキスト。
 * @throws IOException 入出力エラー
 */
private String buildRecord (
  BufferedReader reader)
  throws IOException
{
  String  result = reader.readLine();
  int    pos;
  if (result != null && 0 < result.length() &&
    0 <= (pos = result.indexOf("\"")))
  {
    boolean  inString = true;
    String   rawline = result;
    String   newline = null;
    StringBuffer buff = new StringBuffer(1024);
    while (true) {
      while (0 <= (pos = rawline.indexOf("\"", ++pos))) {
        inString = !inString;
      }
      if (inString && (newline = reader.readLine()) != null) {
        buff.append(rawline);
        buff.append("\n");
        pos = -1;
        rawline = newline;
        continue;
      }
      else {
        if (inString || 0 < buff.length()) {
          buff.append(rawline);
          if (inString) {
            buff.append("\"");
          }
          result = buff.toString();
        }
        break;
      }
    }
  }
  return result;
}
注意)上記コードでは,フィールド内の改行をLF("\n")に決め打ちしていますが,実際にはCSVパーサの出力結果を受け取るプログラム(データベースなど)が要求する改行コードを挿入する必要があります。
使用すべき改行コードの選択は,プログラムが稼動するプラットフォームの改行コードを取得する
「String returnStr = System.getProperty("line.separator");」
が知られていますが,実行環境によってはCSVパーサの出力結果を受け取るプログラムがCSVパーサとは異なるOSで稼動する場合もありうるので,上記コードで取得できる改行コードを常に適用できるとは限りません。
そのため,実コードでは使用する改行コードをプロパティファイルで設定できるようにするなど動作環境に合わせて変更できる仕組みを作る必要があります。

●レコードのフィールドへの分割
フィールド分割では,レコードに切り分けたテキストに対して,最初にレコード全体をカンマで分割し,分割した個々の文字列にダブルクォーテーションをヒントに必要な連結やエスケープ処理を行って,個々のフィールドを確定します。処理手順は以下のようになります。
  1. レコード全体をStringクラスのsplitメソッドを使ってカンマで分割し,分割した個々の文字列データを順に先頭からダブルクォーテーションを探す。見つからなければその文字列は1フィールドとして確定する。
  2. ダブルクォーテーションが見つかったら,次のダブルクォーテーションを探す。次のダブルクォーテーションの直後にダブルクォーテーションがあれば,エスケープされたダブルクォーテーションとして処理し,そうでなければフィールドの終わりと見なす。
  3. フィールドで後ろのダブルクォーテーションが見つからない場合,フィールドに含まれるカンマでsplitメソッドが分割したものと見なして,フィールドの後ろに(splitメソッドが削除した)カンマと次のフィールドを連結する。
  4. フィールドの開始と終了のダブルクォーテーションは削除する。
以上の処理を行うコードは次のようになります。(2009年6月22日改訂)
//------------------------------------------------------------------
/**
 * 1レコード分のテキストを分割してフィールドの配列にする。
 * @param src 1レコード分のテキストデータ。
 * @param dest フィールドの配列の出力先。
 */
private void splitRecord (
  String    src,
  LinkedList dest)
{
  String[]  columns = src.split(",");
  int     maxlen = columns.length;
  int     startPos, endPos, columnlen;
  StringBuffer buff = new StringBuffer(1024);
  String   column;
  boolean  isInString, isEscaped;

  for (int index = 0; index < maxlen; index++) {
    column = columns[index];
    if ((endPos = column.indexOf("\"")) < 0) {
      dest.addLast(column);
    }
    else {
      isInString = (endPos == 0);
      isEscaped = false;
      columnlen = column.length();
      buff.setLength(0);
      startPos = (isInString)? 1: 0;
      while (startPos < columnlen) {
        if (0 <= (endPos = column.indexOf("\"", startPos))) {
          buff.append((startPos < endPos)?
                column.substring(startPos, endPos): isEscaped? "\"": "");
          isEscaped = !isEscaped;
          isInString = !isInString;
          startPos = ++endPos;
        }
        else {
          buff.append(column.substring(startPos));
          if (isInString && index < maxlen - 1) {
            column = columns[++index];
            columnlen = column.length();
            buff.append(",");
            startPos = 0;
          }
          else {
            break;
          }
        }
      }
      dest.addLast(buff.toString());
    }
  }
}


以上で「RFC4180対応のCSVパーサ」はひととおりできあがったかと思います。

※上記コードでは,整形のため全角スペースを使用している部分があります。
【著作権表記】上記コードを含む本ブログのプログラムコードは,私的利用可,商用利用可,改変しての利用可です。利用の際に作者に許諾を得る必要はありません。

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Java:CSVパーサを作る(その2) - RFC4180対応 前編

CSVの仕様について調べてみると「K3フォーマット」と「RFC4180日本語訳)」が見つかります。K3フォーマットとCSVの違いについては「桐ver.8活用ガイド」というドキュメントの「読み込み K3フォーマット」と「読み込み CSV」という項目で記述されています。
ここでは前回の記事で作った簡易CSVパーサを発展させて,今回と次回の2回に分けてRFC4180で規定されたCSVが読み込めるCSVパーサを実装してみたいと思います。

【RFC4180で規定されたCSVの仕様】

  1. レコードの区切りは改行である。改行コードはCRLFだが他の値も考慮すべきである。
  2. ファイルの末尾に改行はあってもなくても良い。
  3. ファイルの先頭行にヘッダ行があっても良い。ヘッダ行の有無はMIMEタイプ「text/csv」のパラメータ「header」で示す。header パラメータの値は「present」(存在する),または「absent」(存在しない)のどちらかである。「header」パラメータを使わない場合はヘッダの有無を自ら決める。
  4. 各行にはカンマ「,」で区切ったフィールド列が必ずある(つまり空行はない)。フィールド数はすべての行で同じ。フィールド中の空白は無視しない。行末のカンマは行の終わりを表さない(その後ろにNULLフィールドがもう1つある)。
  5. 各フィールドはダブルクォーテーション(二重引用符)「"」で囲んでも良いし囲まなくても良い。
  6. 改行,ダブルクォーテーション,カンマを含むフィールドはダブルクォーテーションで囲む。
  7. フィールドデータにダブルクォーテーションを含む場合,ダブルクォーテーションを2つ続けることでエスケープする。
  8. 文字コードは一般にUS-ASCIIを使う,他の文字コードの使用を明示するにはMIMEタイプ「text/csv」のパラメータ「charset」で指定する。
【参考:K3フォーマットとRFC4180の違い】
  1. フィールドをダブルクォーテーションで,
    • RFC4180:「囲んでも囲まなくてもよい」(数値型を囲んでもよい)
    • K3フォーマット:「文字列型データは囲む,数値型データは囲まない」(数値型,文字型以外は想定なし)
  2. 行の先頭が「#」だった場合,
    • RFC4180:規定なし。よって通常のレコードとして解釈する。
    • K3フォーマット:その行をレコードとして解釈せずに以下のように解釈する:
      • 行頭が「#」の場合:制御コマンド記述行
      • 行頭が「##」の場合:コメント行
      • 行頭が「###」の場合:データ終了。この行以降のデータは取り込まない。

【仕様の考察】
CSVパーサのように外部からデータを取り込んでこれを処理するプログラムの場合,受け取ったデータがRFC4180の仕様に沿っていた場合に正常に処理できることはもちろん,仕様とは異なるデータを受け取った場合にどのように処理するかを決める必要があります。CSVパーサの実装を検討する上で考慮すべき事項として以下のようなものが考えられます。

  1. 画像データやPDFなど,CSVではないデータを受け取った場合にどうするか。
  2. RFC4180の仕様から若干外れたCSVデータ,たとえば次のようなデータを受け取った場合にこれをどのように処理するか:
    • CRLF以外の改行コードを受け取ったらどうするか。複数の種類の改行コードが混在していたらどうするか。
    • 仕様では「空行はない」とされているが,空行があった場合はどうするか。
    • 仕様では「フィールド数はすべての行で同じ」となっているが,フィールド数にばらつきがあった場合はどうするか。
    • 仕様で「改行,ダブルクォーテーション,カンマを含むフィールドはダブルクォーテーションで囲む」とあるが,囲まれていない場合はどうするか。フィールド中の改行とカンマについてはダブルクォーテーションなしでは判定は不可能だが,ダブルクォーテーションについてはエスケープされているかどうかで判定できる可能性がある。
    • ダブルクォーテーションで囲まれていないフィールドの途中にエスケープされていないダブルクォーテーションが出現した場合はどのように解釈するか。
    • 行頭が「#」の場合どうするか。RFC4180では行頭が「#」の場合については決められていないが,K3フォーマットではこの行はレコードとして解釈せずにコメント行または制御行として扱う。
    • 文字コードはどうするか。RFC4180ではUS-ASCIIがデフォルトだが,これだと日本語が扱えないのでデフォルトを変えるべきではないか。
これらを考慮する場合に重要なのが「リーズナブル」という考え方です。これは具体的には以下のような考え方です。
  1. なるべく少ないコードでより多くの要求を満たす実装方法を選択する。
  2. 重要ではない小さな要求のために大量のコードが必要になる実装方法は避ける。
  3. 何かに対応するために大量のコードが必要になったら「この実装方法には何か根本的な問題があるのではないか?」と考える。
  4. 実現不可能なもの,実現が困難なものはどこかで諦める。その場合はユーザが納得できる代替案を探す。
以上を踏まえて,CSVパーサを実現するためにRFC4180に対して以下のように追加修正を行います。
  1. CSVパーサの実装において,CSV以外のデータを受け取った場合の処理については特に考慮しません。この問題は,CSVパーサが呼ばれる以前に,たとえばファイル名の拡張子でエラー判定するなどして解決するものとします。
  2. フィールドに含まれる空白のうち,フィールドの先頭と末尾の空白は無視(削除)できることにします。これは特に数値を数値データとして取り込む場合に必要です。
  3. MIMEタイプのパラメータは読み込んだCSVデータの中で判断できないため,パーサでは対応しません。
  4. 行頭に「#」がある行はコメント行とします。ヘッダ行はこのコメント行で実現するものとします。対応すべき制御コマンドもないので「#」1つでもコメント行とします。
  5. フィールド内にエスケープされたダブルクォーテーションが含まれる場合の動作は次のようにします。
    • エスケープされたダブルクォーテーションの前後にデータがある場合は,フィールド全体を囲むダブルクォーテーションはあってもなくても良い。
    • フィールド内のデータがエスケープされたダブルクォーテーションだけの場合,全体を囲むダブルクォーテーションが必須。(つまり連続する4つのダブルクォーテーションが必要。)
    • 逆にフィールド内のデータがダブルクォーテーションの1ペアだけだった場合,パーサはこれをダブルクォーテーションで囲んだNULLフィールドとして扱う。
  6. レコードの区切りは改行(またはファイル末尾)ですが,ダブルクォーテーションで囲んだフィールドに改行が入っていることがあるため,改行がレコードの区切りとは限りません。
  7. フィールド数は固定であることを期待しません。また空行もありうるものとします。空行はスキップします。フィールドが多いときは余りは無視します。フィールドが足りないときはNULLフィールドで補うものとします。
  8. ダブルクォーテーションを2つ続けることによりダブルクォーテーションをエスケープする仕様のため,ダブルクォーテーションは1フィールド及び1レコード内で必ず偶数になります。
  9. 文字コードはUS-ASCIIではなく「Windows-31J/MS932」とします。これはExcelで開けるCSVの文字コードに合わせています。
【実装の考察】
処理手順としては,入力したテキストデータを先頭から1レコードづつ切り出し,このレコードをフィールドに分割する,これを入力テキストの最後まで繰り返す,という流れになりますが,処理手順を検討した結果,以下の流れで処理を行うことにします。
  1. レコードの確定
    入力テキストを1行づつ取り出し,ダブルクォーテーションのペアをトレースしてレコードの末尾を確定し,1レコードを確定する。
    • 取り出した1行分の入力テキストに含まれるダブルクォーテーションの数がゼロまたは偶数ならば,その1行を1レコードとして確定する。
    • 取り出した1行分の入力テキストに含まれるダブルクォーテーションの数が奇数ならば,ダブルクォーテーションで囲まれたフィールドの途中と見なして次の1行分の入力テキストを取り出し前の行と連結する。これをダブルクォーテーションが偶数になるまで(または入力テキスト末尾になるまで)繰り返す。
  2. フィールドの分割
    レコードに対して,最初にレコード全体をカンマで分割した後で,ダブルクォーテーションをヒントに
    • 文字列フィールドのカンマによる分割の再結合
    • 文字列フィールドを囲むダブルクォーテーションの削除
    • ダブルクォーテーションが2つ連続した場合のエスケープ処理
    を行う。
  3. 1と2を入力テキスト末尾まで繰り返す。
以上のような処理になりますが,ソースコードを簡潔にするために上記「レコードの確定」と「レコードのフィールドへの分割」を別メソッドにして実装することにします。

このメソッドを実装する前に,で作った「簡易CSVパーサ」を,上記メソッドを呼び出すように書き換えたコードを先に作ってしまいます。

【簡易パーサの修正】
「レコードの確定」「レコードのフィールドへの分割」を行うメソッドを以下のように規定します。
/**
 * BufferedReaderから1レコード分のテキストを取り出す。
 * @param reader 行データを取り出すBufferedReader。
 * @return 1レコード分のテキスト。
 * @throws IOException 入出力エラー
 */
private String buildRecord (BufferedReader reader);

/**
 * レコードデータsrcを分割してフィールドの配列にする。
 * @param src レコードデータ。
 * @param dest レコードデータからフィールドの配列を取り出してリストに加える。
 */
private void splitRecord (String src, LinkedList dest);

このメソッドを使って前回の記事の「簡易CSVパーサプログラム」を書き換えると次のようになります。
注:行頭が「#」の行はコメント行と見なしてスキップするコードも追加しています。
//------------------------------------------------------------------
/**
 * CSVファイルの読み込み。
 * @param stream 入力ストリーム。FileInputStream,ByteArrayInputStreamなど。
 */
public void read (
  InputStream stream)
{
  LinkedList     columns = new LinkedList();
  InputStreamReader reader = null;
  BufferedReader   buff = null;
  try {
    reader = new InputStreamReader(stream, "MS932");
    buff = new BufferedReader(reader);
    String record;
    int   lineNum = 0;

    while ((record = buildRecord(buff)) != null) {
      lineNum++;
      if (record.length() <= 0)
        continue;
      if (record.startsWith("#"))
        continue;
      splitRecord(record, columns);
      if (0 < columns.size()) {
        readColumns(columns, lineNum);
        columns.clear();
      }
    }
  }
  catch (Exception ex) {
    ex.printStackTrace();
  }
  finally {
    columns.clear();
    try {
      if (buff != null) {
        buff.close();
      }
      if (reader != null) {
        reader.close();
      }
      stream.close();
    }
    catch (IOException ex) {
      ex.printStackTrace();
    }
  }
}

//------------------------------------------------------------------
/**
 * 読み込んだ1レコード分のデータをDBに取り込む。
 * 実際の処理は派生クラスで実装。
 * @param columns 1レコードをフィールドに分割した文字列リスト。
 * @param lineNum CSVの行番号(エラーが発生したときの行番号記録用)。
 */
abstract protected void readColumns (LinkedList columns, int lineNum);


今回はここまで。
次回は,「レコードの確定」と「レコードのフィールドへの分割」を行う「buildRecord」と「splitRecord」両メソッドの実装を行い,CSVパーサを完成させます。



※上記コードでは,整形のため全角スペースを使用している部分があります。
【著作権表記】上記コードを含む本ブログのプログラムコードは,私的利用可,商用利用可,改変しての利用可です。利用の際に作者に許諾を得る必要はありません。

■関連情報
CSVの仕様:RFC4180日本語訳)(Wikipedia
桐ver.8活用ガイド(K3フォーマットとCSVの違いについての解説あり)
Microsoftコードページ932(Wikipedia
WebObjects:CSVレスポンスの実装

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Effective Java 第2版 (The Java Series)



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Java:CSVパーサを作る(その1) - 簡易パーサ

データベースやExcelなどにデータをインポート・エクスポートする際に使用されるファイルフォーマットとしてCSVがあります。
CSVを単にカンマでフィールドを区切り,改行でレコードを区切ったテキストデータと見るならば,JavaでCSVファイルをインポートしてデータベースに読み込ませるなどの処理を行うCSVパーサを作るには,BufferedReaderクラスのreadLineメソッドでレコードを取り出し,Stringクラスのsplitメソッドでフィールドに分割すれば,それでCSVパーサができあがります。
この場合の具体的なプログラムを以下に例示します。

■処理の概要
このCSVパーサでは,以下の処理をファイルの最後まで繰り返し実行します。

  1. 読み込んだCSVデータから1行を1レコードとして取り出します。
  2. 1レコードをフィールドに分割してStringクラスインスタンスのリストを作ります。
  3. 1レコード分のフィールドのリストをレコード処理メソッド(「readColumns」)に渡します。
CSVパーサクラス及びreadColumnsメソッドはabstractとし,派生クラスでreadColumnsメソッドの処理を実装するものとします。派生クラスのreadColumnsメソッドでは,CSVパーサで生成した1レコード分のフィールドのリストをデータベースへ登録する処理などを実装します。
CSVファイルの文字コードは「Windows-31J/MS932」とします。これはExcelで開けるCSVの文字コードに合わせています。

簡易CSVパーサプログラム

//------------------------------------------------------------------
/**
 * CSVファイルの読み込み。
 * @param stream 入力ストリーム。FileInputStream,ByteArrayInputStreamなど。
 */
public void read (
  InputStream stream)
{
  InputStreamReader reader = null;
  BufferedReader   buff = null;
  try {
    reader = new InputStreamReader(stream, "MS932");
    buff = new BufferedReader(reader);
    String  record;
    String[] columns;
    int   lineNum = 0;

    while ((record = buff.readLine()) != null) {
      lineNum++;
      if (record.length() <= 0)
        continue;
      columns = record.split(",");
      if (0 < columns.length) {
        readColumns(columns, lineNum);
      }
    }
  }
  catch (Exception ex) {
    ex.printStackTrace();
  }
  finally {
    try {
      if (buff != null) {
        buff.close();
      }
      if (reader != null) {
        reader.close();
      }
      stream.close();
    }
    catch (IOException ex) {
      ex.printStackTrace();
    }
  }
}

//------------------------------------------------------------------
/**
 * 読み込んだ1レコード分のデータをDBに取り込む。
 * 実際の処理は派生クラスで実装。
 * @param columns 1レコードをフィールドに分割した文字列リスト。
 * @param lineNum CSVの行番号(エラーが発生したときの行番号記録用)。
 */
abstract protected void readColumns (String[] columns, int lineNum);


次回は,この簡易パーサを拡張して「RFC4180」に対応したCSVパーサへの拡張を試みます。



※上記コードでは,整形のため全角スペースを使用している部分があります。
【著作権表記】上記コードを含む本ブログのプログラムコードは,私的利用可,商用利用可,改変しての利用可です。利用の際に作者に許諾を得る必要はありません。

■関連情報
CSVの仕様:RFC4180日本語訳)(Wikipedia
Microsoftコードページ932(Wikipedia
WebObjects:CSVレスポンスの実装

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